長〜い不況、高齢化、IT技術の発達、24時間営業コンビニやファミレス、社会生活の変化を促す、あるいは変化に応えるための状況や装置が、辺りを見渡しただけでもたくさんあります。それとともに働くかたちも変わってきました。身近なところではイラストの納品がデータになりバイク便からメールに変わって、〆切ぎりぎりまで絵を描くことができるようになったり。これでじっくりと思索もできるし空いた時間も有効に使えると、当時はものすごく感動したものです。今はそんな環境にも慣れて、何のありがた味も感じなくなりました。
世の中にある様々なサービスを活用しながら、効率よく環境を変化させていくことが、善かれ悪かれ個人では簡単にできますが、組織となると難しいと思います。個人単位だと効率を求めるだけで済んだことが、組織だと共通の目的意識とか人間関係とか、集団活動ならではの諸問題が発生するからです。これらを解決するような新しい働くかたちの実現は、これからのグループワークや組織づくりの肝となるんでしょうね。
この本で著者の池田晃一さんは、未来の理想的な働くかたちの一つとして「コプレゼンスワーク」というアイデアを紹介しています。本の中ほど30ページを割いて、子供服づくりという具体的なプロジェクトを通し分かりやすくこれを解説してくれます。主人公のママさんOLをはじめ、リタイアした伝説の縫製職人、タイで働く青年工場長といった人たちがチームをつくって、各々の生活に合わせた就労時間でプロジェクトの各要所に関わり、効率を目指すだけでなく働きやすい環境を創りながら、楽しくこれを達成してゆく様子を描いています。こんなふうに働けたら人生意味あるかもって思わせてくれるので、詳しくは本を読んでくださいませ。
で、イラストについてですけど…込み入った情報を整理して分かりやすく展開していくことはイラストレーションの醍醐味のひとつで、そういうヤリガイを感じながらポジティブな雰囲気で描けました。ヤリガイついでにこの絵で缶バッチもつくったので、また今度アップしようかなと思ってます。
イラストレーターって仕事は絵が好きな人がやれば良いのだろうけど、自分はそれほど好きでもないような気がしてならない。というのも子供のときから色を塗ることが苦痛でしょうがなかったからで、色を塗るといつでもぐちゃぐちゃになったし、だいたい全部混ざって灰色になっておしまい。そんな感じだったから中学の時に美術で1とったこともあった。理由は絵がヘタだからというより、描くのが苦痛で作品を提出しなかったからだと思う。
今思うと苦手なその「色」というのはトーンではなく色相のことだったかも。トーンは濃淡とか明彩度だから、モノトーンで、例えばグレーのバリエーションを出すのはかなり気持ちよかったし、何よりもその種類が豊富だと、立体感や画面の層を出すときにとても有効だ、というようなことはけっこう早いうちに発見したと思う。つまりは絵を描くということを、色相を豊富に使うことだと思い過ぎてたのかも知れない。色相からの逃走ってあんまりカッコ良くはないな。
それからアイデアを出すのも苦痛。アイデアっていってもいろいろあるけど、時間かけて考えたり、周到な用意があればアイデア出るかっていうと、ぜんぜんそうじゃないでしょ。とにかくそのための理路なんてないからやんなる。それでも描きながら変な考えが繋がったり、逆に飛躍したりすることが分ってくると、これが今度は癖になるわけ。考えるというよりも、手が動くと自然にそうなったりして、それでまた次の手の動きが生まれる感じですかね。考えてるんじゃなくて処理してるというか、(自己創出的な)運動をしてる感じかな。
以上、去年描いたこのイラストを見て、あらためてこんなこと思い出したんで、だらだら書いてみたけど、けっきょく描くの好きなのか…?
F5magazine…エフ・ゴ・マガジンというロシアのIT系雑誌で、アンドロイド携帯で写メるとその写真画像の商品や建物が何なのかすぐ分っちゃう検索システムを特集することになって、これを説明するようなイラストがほしいという依頼で描いたものです。だからこれは一応図解でなんですが、そこはデザイナーの趣味なのか雑誌の方向性なのか分りませんけど、ちょっとエキセントリックにしたいということで、不吉な人物や文字を入れて大雑把に描いたところアートディレクターに、とってもブリリアントだと言われました。この手のイラストはロシア的には眩しかったようです。
それはともかく、この検索機能を調べてみるとこんな解説映像がありました。見ているとなかなか楽しそうだしスマートだし、自分でもやってみたくなります。街に出て散歩してる時、気になったものを写真に撮って検索するのって、健康的なのかそれとも逆なのかよく分らないけど、まあ一度試してみたいものですね。
※こっちの方がオフィシャルっぽい
※iPhoneにも対応してました
jimanicaのニューアルバム「Pd」が出ました。d.v.dの活動でもアブストラクトなコンセプトが冴えている彼の今回のアルバムはとてもポップで、そのポップな雰囲気をイラストで表現せよとの指令が下りました。しかしそこはjimanica、ただポップなだけど根底に流れる自己言及的で無意味な精神が伝わらないのでした。かくして通俗的な物体が絡み合ってそのような思想をも伝わるように構成せよという第二の指令が下されます。こうしてそれほど紆余曲折もしないでできたのがこのCDジャケットです。デザインが加わって更に良くなりました。
ファーストアルバムのEntomophonicとはまたちょっと違う味わい、能天気なようで哲学的なサウンドをお楽しみくださいませ。
これがごちゃごちゃしたジャケットデザインの全貌です。いやごちゃごちゃしたイラストレーションをサラリとまとめたデザインというか、ほんとに中身もこんな感じのサウンド。でもって2月11日にリリースイベントもあるみたいなんだけど、どんなパフォーマンスになるのか楽しみです。多分行きますよー。
Jimanica「Pd」Release Party!!
2011.02.12(sat)
@六本木SuperDeluxe
open 18:00 / start 19:00
adv ¥2,800 / door ¥3,300(ドリンク別)
Live: Jimanica band set / DE DE MOUSE / 三浦康嗣(ロロロ)
DJ: Ametsub (nothings66)
何年も飲んでなかったせいもあって久しぶりな感じのハイボールです。メーカーが盛り上げる背景にどういう理由があるのかは分りませんけど、とにかくブームのようでいろんなお店で置くようになったため、最近自分でも少し飲んでみました。そしたらこれがけっこう美味しい。前と違って今はかなり高級なウイスキーでつくったハイボールを飲み比べたりするのが流行っているようです。そういえば5年ほど前にホッピーのブームもありまして、この時も詰め合わせをいただいた関係もあってずいぶん飲んだ覚えがあります。
と、ここまで書いておきながら実は話がはずむほど酒好きじゃないし、かといってこの絵について特に解説することもないんですが、いや本当はあるけどそういうことばっかり書くのも無粋なので、役に立つハイボール情報を3日後くらいにアップしようと思います。
…3日後。
以下メトロミニッツ8月号からから抜粋しました。
どうもハイボールはトリスバー、ニッカバー、オーシャンズバーといった専門店でウィスキーを安く楽しく衛生的に飲むために考えられた方法のようですね。初期もっともポピュラーだったのがトリスを炭酸で割ったトリハイでしたが、まもなく日本では家での晩酌でウィスキーを嗜むようになり徐々に高級嗜好になり、飲み方も衛生的になった氷や水でロックや水割りを飲むようになったようです。しかしその後ワインや焼酎などがたくさんのお酒が出てきて消費者の嗜好が多様化し83年以降ウィスキーの出荷は20年間右肩下がりに落ち込みました。この現状を何とかしようと考えたサントリーが地道なキャンペーンの積み重ねで、様々なウィスキーを使用した炭酸割りを復活させ、ここにきてのハイボールブームとなったそうです。こうしたキャンペーの成果もありますが、もともとハイボールには「炭酸割りを試されていないウイスキーはまだまだあるぞ」というノビシロがあったんじゃないかと思います。
ところで「ウィスキーがお好きでしょ」て歌はサントリークレストですよね。このCMソングを復活させたのも大きいなあ。
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