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※おかげさまで無事終了しました

8月20日に中ザワヒデキ氏と対談があります。場所は神保町の美學校、入って左側の教室だそうです。あらかじめ断っておきますが冷房がありません。そんな事情もあって入場無料です。

これまでの中ザワ氏とのトークでは概ね「絵画」を議論してきました。でも三度めの今回は美學校でやるにもかかわらず「イラストレーション」がテーマです。こんな話ができるのも、氏が90年代初頭イラストレーターだったからというだけでなく、欧米のアートのとある動向が、日本のデザイン方面に捻れて現象した一時期があったことを、日本美術の系譜に積極的に取り入れ発言している作家だからです。そしてこのことが、中ザワヒデキという美術家をたいへんユニークな存在にしてる原因のひとつでもあります。

輸入当時のイラストレーションという言葉は状況や機能を指す名であり、絵に内在する性質や特徴と関係ありませんでした。少なくとも50年代は写真もイラストレーションと呼ばれていました。簡単に言っちゃうと、印刷された(つまりグラフィックデザインであり複製媒体の)文字以外のビジュアル部分をイラストレーションと呼んだだけです。イラストレーションとは「コピー」とか「キャプション」とかと同じ広告デザインの用語だったんです。

このようなイラストレーションという言葉の使用法は、音楽でいえば「BGM」といっしょです。ベートーベンだろうが湘南乃風だろうがただの口笛だろうが、複製してBGMとして使えばBGMだし、そうじゃなければBGMではありません。モーツァルトが新曲を書き上げた瞬間「いいBGMができたぞ」とは言いません。同じようにイラストレーションとして使えば(つまり印刷されれば)どんな絵もイラストレーションです。

さて日本ではイラストレーションが「イラストレーターが描いた作品」という意味にまず転倒します。その後は「イラスト」と略称されるとともに、独特の発達というか変化をとげてゆくのですが、それがなだれ込むようにピークに達したのが70年代で、「アート」という言葉で息をつないだのが80年代ではないかと考えられます。グラフィックデザインとアートが表向きお互いを包摂し合う奇妙な現象で、この出来事をわりあいベタに受け止めた人たちの中には、今でも「イラスト」にいい印象を持ってない人がけっこういるようです。もともと美術方面では、イラストレーションを「浅はかな具象画」といった意味で蔑称として使ってきたこともあり、何となく評判の悪い言葉になっています。もっともそういう意味でないことは上記したばかりですが。

その他いろいろあって、アートをデザインやイラストレーションと絡めて論じる時は、その定義について説明することに気を使います。未だに「アート」「デザイン」「イラストレーション」の前提を各々が共有してないせいで、この手の議論が不毛に終わることがとても多いからです。「機能はイラストレーションに従う」と82年当時言ったのは美術評論家の中原佑介でした。言外の意味も含め、こうした前提があってはじめてセンセーショナルに響く言葉だと思います。

日時:2008年8月20日(水)19:00〜
会場:美學校
入場無料 予約不要

※中ザワヒデキ:プロフィール著書寄稿
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