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PRAXIS はキャノンの POD(プリント・オン・デマンド)で仕上げたフリーペーパーです。オンデマンド・プリントの特性や利便性を「情報」の流れ方や取り入れ方に関連づけて考えるのはとても面白いのだけど、その表面を飾るデザインやイラストレーションにとってはどうなんでしょうね。オンデマンドの技術を用いて発行数を限定したり好みのアレンジを選択できるようにして付加価値を上げる、といったような月並みなアイデアしか今は見つからないのも事実です。どうもこの件に関して自分の発想には限界があるようなのでやめますが、そのうちコペルニクス的な転換でもって良いアイデアが出そうになったら、その時は改めて書こうと思います。
そんなわけで表紙イラストの話。この絵がイラストレーションとして使われるのは、つまり印刷媒体として使われるのはこれで4回目で、大判にプリントして展示したこともあるのでそれを入れると5回複製されたことになります。最初は雑誌で使用され、それから年鑑への掲載、教科書、そして今回と、こういうケースはとても珍しいとの旨を以前のレポートにも書きましたが、1枚の絵が4回使用されるということは、イラストレーションとしての耐久性というか汎用性というのか、そういう秘訣が絵の中に隠されているのかも知れませんね…と自画自賛できるほど、気に入ってるわけでもないところがまた不思議なんですが。
しいて言えば、3連の絵の1枚が後ろ向きの人だけで構成されているので、これがシリーズ全体の印象を左右することは確かで、飽きのこない秘訣はそこにあるのかも知れません。特に秘訣というほどものでもないか。でもこのことはポイントでしょうね。後ろ姿によって何らかの情緒を引き出そうとしたわけではなく、連作の中のアクセントとして面白いと思ったことは描いた当時の記憶にもあるし、いま見てもこの1枚抜きにはありえない感じはします。いっそ全部後ろ姿で「集合」を描いたら、それはそれでかなりイケるのかも知れません。
それと今ふと思ったんですが、この絵が印刷された4回のうちイラストレーションの一般的イメージである「文章の内容を説明する」という役割でその機能を求められたのは最初の1回だけでした。2回目と3回目はイラストレーターの作品紹介を目的とした単なる「図版」として使用され、この4回目にして表紙イラストと作品紹介の機能を兼ねるという、そういう複合的な使われ方に至ったわけです。展覧会用にプリントした1回を加えるとさらにややこしくなる。つまり役割を変遷させながらその時々の要請にしたがって繰り返し複製されてきたってことですよね。…だから何だよって話ですけどw
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