※終了しました。このテーマであんなに盛り上がるとは…
イラストレーションとは何か、について昔から様々な解釈がなされてきました。イラストレーションにはざっくりと「図版」と「説明」の意味があります。最近トーク系のインフォメーションが多いのでこんなカタい話ばっかですいません。
「図版」とは印刷物の絵図のことです。この定義の場合、印刷されればすべてイラストレーションといえるので、原画とは周到に区別しなければいけません。それがどんな絵であろうと、落書きだろうと何だろうと、とにかく原画はイラストレーションではない、と。じゃあイラストレーションのために描きおろした絵は何かというと「絵」というしかないっすよね。何にも所属しないただの「絵」です。でもこれが慣習上イラストって呼ばれてきました。
「説明」の意味をどう採るかがやっかいで、このことがイラストレーションについてのさまざまな考えを生んできた原因といえます。その絵が説明的ならイラストであり説明的でなければイラストではない、あるいは伝えるという機能があればイラストレーションだとか、何かしらのイラストレーション機能というものが内在している絵だとか、絵解きこそがイラストレーションであるとか、細かく分ければ無数に見解があるんじゃないかと思います。
他にはイラストとイラストレーションは違うとか…これ心情的には分ります。おおむねアニメとアニメーションが違うのと一緒の感覚なんだと思います。川本喜八郎のアニメ、とは言いにくいもんね。でもこれについては、もとの難しい意味が省略されてポピュラーになればなるほど、あらゆるものが略称で呼ばれるのが日本の習慣だと思えば特に気にならないし、なんとなく使い分けることでニュアンスの違いを出すのもまた一興、ぼくはどっちでも良いです。アニメもアニメーションも両方好きだし。
このイベントは美學校細密教場の田嶋徹さんの企画で、谷口広樹さんと瀬戸照さんを招き「イラストレーションと原画」をテーマにお話を伺うというものです。谷口さんは捨象された情景や、あるいは抽象画において絵の具の物質そのものを提示する作品が主ですから、「図版」として使われた時もイメージの変換を観る側に委ねる、そういうデザイン計画にふさわしい作家といえます。片や瀬戸さんはちょっと尋常じゃない細密画家でして、いわば「説明」の極みというか凄みというか、にもかかわらず言葉では説明できない絵を描く人です。原画見たことあるんですけど、点描の一つ一つの点の形を修正していました。
一見対照的なお二人なんですが果たしてそうなのか?原画がイラストレーションになって説明以上の言外の意味がその絵に備わる時、それは絵の内側にもとからあった機能なのか、外からのデザイン計画によって与えられたものなのか、そういう話題になるのではと予感しています。違ったりして。
※細密教場トークイベント
(注)↓日付間違ってました、9日じゃなくて8日です!!
日時:4/8 19:00~21:00
出演:瀬戸照、田嶋徹、谷口広樹、都築潤
会場:美學校
参加費:無料_予約不要
田嶋徹 + 鳥山豊 「BIGAKKO ANNUAL REPORT 2010」
会場:文房堂ギャラリー
会期:4/5 ~ 4/10
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