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©2008 Bungeishunju Ltd.

北京オリンピックが終わってからも残暑が続いてますが、金メダルを取った北島選手が表紙のちょっと前の Number でこんな飾り絵を描きました。見開きページ一杯に細かいキャラクターがレイアウトされてるのを見るのは、空間にパーツを並べてるみたいで楽しいのですが、描いているときは部品を組み立てる熟練工のように、ストイックな気持ちで作業しています。こいう作業は没頭できます。
  
描いている段階でつい気になるのは、並べたときの全体が活き活き見えてくるかどうかなんですが、これってただ色価の関係だけじゃないと思います。例えばキャラクターの性格にも引力のようなものがあって、各々が引っ張ったり突き放したりしながら、バランスのとれた紙面が出来上がってくような気がします。その性格とは、固いとか柔らかいとか、静や動、生き物なら性別だったり、かわいいとか怖いとか貧乏くさいといった、キャラクターのもつ意味のようなものです。でも最初からバランスを考えすぎるのはよくありません。ある程度偶発性を許容しながら、自分がその作業の中でリラックスできるようでないと、できた瞬間はやったと思っても案外長持ちしないものです。緊張の場面ほど良いイメージがもてるアスリートの感覚に近いかも知れません。と思いましたがそこまでじゃないですね。マイケル・ジョーダンがドリブルしながらベロを出すような感じでしょうか。これもちょっと違いますか。スポーツに例えるのが無理でした。

   
©2008 Shinbashikoichi

本日7月24日から第13回「こいち祭」が新橋で始まります。で、そのポスターが先日できあがったのでもらってきました。もうとっくに新橋界隈に貼られているようなのでお祭りが始まったら様子を見てこようと思います。アートディレクションは水谷孝次さんですが、水谷さんは数年前から Merry Project なるものを展開していて、これについてはまた今度ご紹介できればと思ってます。

さて「こいち祭」ではいろんな催しがあるようです。定番の盆踊りの他、大道芸ミニボーリング大会などがあります。その中でもメインイベントは「ゆかた美人コンテスト」で、このポスターに合成されてる方も去年の優勝者だそうです。ということは今年のチャンピオンが来年のポスターに合成されるんでしょうね。合成という表現は風情がありませんか…とにかく優勝したお嬢さんがポスターになるようです。そんなわけで何となくこいち祭のサイトをみてたんですが、なんと今年ノミネートされてる美人たちの紹介ページがありました。みなさんブログで自己紹介までしてます。あっ、ウェブ投票もできるようになってますねというか、さっき投票しちゃいました。特に大きな期待をしてなかったせいか、ものすごくトクをした気分です。多分つづく…

 

先日「こいち祭」に行ってきました。ポスターはいろんな場所に貼られてました。けっこうハッとするような意外な場所に貼ってあるのを、例えば路地を曲がった瞬間店の軒先なんかに見つけるのが楽しかったです。昔よくポスターを見つけてこんな風にハッとしましたが、最近はないことに気づいてなんとなく懐かしくなりました。いつのまにかポスターは駅の構内等、決まった場所でしか貼られなくなりましたよね。でかくても印象に残らないのは貼られる場所が限定されていったせいかも知れません。メディアが爆発的に多様化した今はポスターの時代じゃないかも知れませんが、風景にうまく馴染んだかと思えば、逆に違和感を投げ込んだりするこの媒体の、本来の姿を思い出したような気がします。

盆踊りの会場では皿回しの大道芸が悲しい曲をBGMに繰り広げられてました。なぜこんな悲しい曲を選んだのか気になって曲芸を見ることに集中できませんでした。それから肝心の「ゆかた美人コンテスト」は時間がなくて見れなかったのですが、優勝はchiakiさんだったようです。おめでとうございます!来年のポスターに美しく合成されてください。
  
©2008 CYZO Inc.

ビジネスマンの金メッキが剥がれてゆく様子をと言われたので、このような絵を描きました。最初は素肌に金粉を塗ったゴールドフィンガーのような艶かしい肢体を想像しましたが、ビジネスマンなので男らしく、もっと硬質で隆々とした黄金像が崩れるイメージを付け加え、こんな感じに仕上がりました。デザインが加わって「…嘘つきだっ!バリーン!」って感じがとっても良く出てますね。

1974年に連続企業爆破事件が起こります。当時中学だったんですが、夏休みの終わりに家で留守番をしている時、テレビのニュース速報で入ってきた、ワイシャツ姿の男性が血だらけでビルの谷間をさまよってる映像に愕然としました。当初はこの一件をとって三菱重工ビル爆破事件と言われましたが、その後大企業の建物が連続して狙われます。犯行声明を出したのは東アジア反日武装戦線の「狼」というグループでした。その一年後一水会の鈴木邦夫氏が、右からのシンパサイザーとしてこれを「腹腹時計と狼」という本に書き上げます。私もまだ子供だったので現代社会の矛盾を目の当たりにして「嘘だー!」なんて叫ばなかったし、ましてや資本主義経済の歪みとか日帝植民地主義に対する義憤など頭のスミにもありません。しかし今はこうして、当時の出来事に複雑な思いを馳せつつこの絵を描くことができました。もちろん嘘!です。
 
©2008 CYZO Inc.

日本の鉄道は大丈夫なのか、なんてけっこう真剣に考えながらトランスフォーマーのようなの巨大メカが街や山谷を破壊してるジオラマを描きました。このアイデアをもらった時はかなりの気合いを入れて取りかかったのですが、お客が乗ってくれない赤字ローカル線、働き過ぎの新幹線、実用化のメドが立たないリニアモーターカーが、やり場のない怒りを涙ながらにぶつけるといった物悲しい光景を目にして、最後は何だかしんみりしてしまいました。ウルトラマンのジャミラシーボーズの回とダブってきます。考えてみるとリニアメカの夕焼けのなんかは、昔見た実相寺昭雄の映像が影響しているのかも知れません。そういえばこのリニア型メカ、メトロン星人のような形状をしています。
  
 
©2008 CYZO Inc.

サイゾー編集部が独立して株式会社サイゾーができたそうで、おめでとうございます。私のカットイン・イラストレーションは(なぜか)ほぼサイゾーでしか見られないということもあり、このことひとつ取ってもたいへん貴重な雑誌といえます。HPもリニューアルしてますね。トップにいきなりソフト・オン・デマンドのバナーというのもシビレます。
 
さて本題ですが、去年も沖縄の集団自決の問題で話題になりましたが、教科書の記述が改訂のたびに変更されていているようです。例えばお札で見慣れた聖徳太子の肖像画が、その後の研究で聖徳太子とは断定できないということになり抹消されたり、「鎖国」というのが歴史用語としては不適切なのが判明して「いわゆる鎖国」に変わったりしているみたいです。これからは「いわゆる鎖国」と言いましょう。あと、とっくの昔から「イイクニつくろう」なんていう曖昧な年号は試験にでないのが常識らしいです。そんな日本史教科書の特集のためにナビゲーターのキャラクターを考案せよとの指令を承りましたので、こんな緑のカバのようなものを考えました。アシスタントの林丹丹ちゃんと可愛く絡んでます。
以上、ひとつ前の号の話です。紛らわしくてすいません。
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