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©1994 Japan Racing Association

競馬はほとんどやりませんが当たればさぞ楽しかろうと思います。昔ダービーでブライアン…だかいう馬券を買って、友達の個展にお祝いで持って行ったことがありました。そしたらそれが当たったんですが、配当金が馬券の価格とほとんど変わらなかったのでその時は楽しいとは思えませんでした。それ以後馬券は買ってません。テレビで見てるときは良く当たります。

ということでJRAから出てるKEIBA CATALOGというフリーペーパーで昔こんなイラストを描きました。そういえばずいぶん前中山競馬場に行ったことがあって、馬券も買ってないしレースも観戦してないのに何しに行ったのかずっと腑に落ちず引っ掛ってました。もしかするとこのための取材だったのかも知れません。



絵には馬券売り場の混沌とした様子が描かれてます。よく見ると場内は二階まで吹き抜けになっていて、二階のベランダスペースは喫茶店になってます。さらに券売窓口の上にモニターがありレースの模様が放映されてますが、どうもそれがフォログラフィのように空中に投影され、場内のどこからでもレースやパドックの様子が見られるようになってるようです。女性や子どもも多いし、警備員らしき人まで馬券を買ってます。中山競馬場ってこんな感じだったのでしょうか?パドックでゆっくり歩く馬をずっと見てたり、駅までの帰り道が長かったわりに人の列が途切れなかったことは覚えてますが、馬券売り場の記憶はまったくありません。こんなふうに絵に描くことで記憶が消え去ることが良くあります。
 

何だかみんな楽しそうですけど、ここは近代社会の象徴ベルトコンベアがあるオートメーション工場です。チャップリンの「モダン・タイムス」を思い出す方も多いと思います。ひときは目立つ大きな女性が外見とはうらはらにとても丁寧な仕事をしてると思えば、逆にいちばん小さくて無表情だけどたいへん乱暴な人もいます。それから画面の一番下でこちらを見ている女性もいますね。各々「ソー」「ガー」「クルリ」といった擬態語がくっ付けられたこの三人が、どうやらお話の中心的な登場人物なのでしょうか。特にこちらを見てる女性は、この様子を外部から眺めるあなた自身の存在を気づかせ、あなたはその瞬間ハッとすることだろうと思います。実はあなたも部外者ではなくここでいっしょに働く仲間だったのです。絶対他者だと安心していたのもつかの間、今はただ休憩しているだけでもう5分もすればベルトコンベアの向こうの角の所定の位置に戻り、こちらに背中を向けて作業の続きに入るのかも知れません。


©2009 RECRUIT CO.,LTD.
というようなことを考えながら描いたこの絵は「じぶん未来BOOK」という働く先輩たちの経験談などを集めた高校生のための冊子です。この本の目玉は何といっても高校生が編集に参加していることですが、ページをめくってみると、その効果なのか全体にとても爽やかで活き活きとした印象がありました。高校生の時は池袋のロサ会館でゲームばかりやってて気づきませんでしたが、当時こんな本があったなら将来へ向けてもう少し早めに目標を立てられたことと思います。まあゲームも無駄じゃなかったんですけど。

  

©2009 CYZO Inc.

久々のサイゾーですけどその前に…。映画のポスターやチラシのイラストレーションは種々ありますが、その描き手で巨匠と言われるのひとりにロバート・マクギニスがいます。最近の日本映画はレトロ感覚の作品が多く、ポスターのビジュアルにこのマクギニスボブ・ピークのような、いわゆるアメリカン・イラストレーションの手法がリバイバルされていて、こちらとしてはとても楽しい状況です。最近でも「K-20」という映画のポスターを、またもや出たけど…それにしても良く描けてるなあ、なんて感心して見てたんですが、ところがこれ、本家本元のマクギニスが描いていたんですねえ驚きました。

ただこの絵では、この人独特の軽妙さがないところがちょっと気になりました。筆致が見えないせいか、影が単調だからか、構成か、理由はいろいろありそうですが、とにかく詰め過ぎというか丁寧に描きすぎてる気はします。しかしまあマクギニスにしてもピークにしても、こちらが期待してた表現スタイルって、彼らにとってはとうに飽きてることだったり、その頃の画材の発達状況で当時はしかたなくそう描いてただけだったりすることもよくあるわけで…いや、これだけの大御所に注文つけるなんてそもそも妄言でしたね。それはさておき「描きかけ」や絵具の「筆致」のカッコ良さにはやっぱり魅力があって、職業柄どうしてもこんなふうに興味を惹かれてしまいます。

 

さて、サイゾーでは毎度のことながら無軌道に楽しく描かせてもらってまして、今回はこんな三大怪獣の絵をIllustratorで描きました。これで何が説明したいのかというと、CGのドローツールでペインティングを実現するには「描きかけ」や「筆致」がポイントになるのではという予感が以前からあり、このことを考える上で前述のアメリカン・イラストレーションの手法がたいへん参考になったというわけです。そしてベクター方式であるドローツールの場合この「描きかけ」や「筆致」に相同するのが「オープンパス」だということに気がつきました。

ではなぜペイントツールではなく、わざわざドローツールでペインティングをやる理由はというと、まず解像度に縛られることがなく、なおかつ全て色指定という、イラストレーションにとって最もフレキシブルな原画が描けると思ったからです。このことは画素をつくる、つまりペイントツールでいうところのピクセルを、ドローツールのパスで構築するという考えに発展します。そしてその後は「イデア論 vs 原子論」の二項対立という、自分の仕事にとってはほとんど必要のない領域まで考えざるを得ない状況となってしまいました。悩みがいのある楽しい問題とでも言いましょうか。

話は変わりますが、アニメーターの木村圭市郎ボブ・ピークに影響され、あのダイナミックなタイガーマスクの原画が生まれたとのこと。感慨があるというか、他人ごととは思えないエピソードです。

最後に、日本ガレージ界の重鎮にして随一のアメリカン・イラストレーションの描き手&グラフィックデザイナー&DJ、ジミー益子のオンライン展覧会レトロスペクティヴ。ゆかりの人々によるコメントも掲載されてます。残念なことに2/21から14日間の期間限定。

※レトロスペクティヴは好評のうちに終了しました

©2008 The Yomiuri Shimbun.

これは就活の冊子ですが、ここ何年か「お仕事」関係の依頼がわり合いあって、会社環境に突入する男女のためのガイダンスのような記事を良く読んだりします。その中に必ず、新しい環境での人間関係をアドバイスしようという内容のものがあったりして、これを読み比べるとけっこう面白いことに気づきました。

最初は、先輩や同僚にはいろんなタイプの人がいるなと感心したり「上司を手玉に取る方法」をホントかあ?と疑ったり、そうことを当事者でもないのでへらへら気軽に読んでたんですが、読み比べてるうちにタイプ分けのパターンが見えてくるんですね。考えてみれば「タイプ」というからにはそのバリエーションは数種類に絞られてるわけでして、世の中そうとう複雑なはずなのに限定された数種類で説明してるのがずいぶん気になってくるんです。

だとすれば、複雑すぎるこの時代逆に人付き合いも素でやってると煩わしくなる一方で、そういう場ではキャラクターを演じるのがあたり前になっていて、という理由で人間によって演じられるキャラが数種類あるだけ、ってふうに考えた方が何だか自然じゃないかという気がしてきました。つまり、こういう演技はこう解釈しよう、こう演じ返そう、というアドバイスに見えてくる。星占いを読んでてもこんな入り組んだこと思いませんでしたけど…。

みんながみんな空気を読む時代ってこういうことなんでしょうかね。これをコミュニケーションの進歩と称揚するのか衰退と嘆くのか、はたまたある限定された状況でのみ活用すべき知恵と捉えるかで、この先楽しくやってけるかどうかの分かれ目のような気さえしてきます。なるほどそういうガイダンスも、もうすでにありそうな気がしてきました(笑)

©2006 SHUEISHA

星占いのコーナーといえば雑誌の定番です。
こういうページには決まってイラストレーションが使われるので、それぞれの雑誌を比較するのも楽しかったりしますよね。特にファッション系雑誌の星占いページは他の情報誌に比べると一段とおしゃれで、コンビニなどで立ち読みしながら、どこがいちばんおしゃれ度が高いかリサーチすることもしばしばあります。ポイントはやはり星座のデザインでしょう。

でもこの時はデザインするのをやめました。ふつうは星座からの象形や神話を思わせるようなミステリアスなアイキャッチャーで、神秘的な雰囲気を盛り上げようと考えます。一瞬はそう考えましたが、でもそういう絵が得意な方は大勢いますし、もう少し自分に向いている表現はないかと思案した結果、そういう方向でのデザインはやめようと決めたわけです。そこで各々の星座を、できるだけ私たちの周りの身近なイメージに結びつけるというアイデアを思いつき、吟味した結果以下の12種に決まりました。

 

牡羊座=ウール100%の羊、牡牛座=牛骨、双子座=シャイニングのふたご、蟹座=かに道楽の看板、獅子座=ライオン丸、乙女座=70年代アイドル、天秤座=シーソー、蠍座=さそり男、射手座=那須与一、山羊座=白やぎさん、水瓶座=水瓶と水と亀、魚座=アジのひらき。このうちウールマークは意外にもNGということでただの羊に換えましたが、残りはほぼ提案通りとなりました。

もうひとつ大事な条件として、毎号必ず大きめの絵を1枚描いてくれということでしたので、ロードムービー仕立てのストーリーに、その月の星座が交代で絡んでいくという設定を考えました。しかし出てくる順序もキャラクターもすでに変更がきかないため、巻によってはきわめて脈略のない登場となってしまい、かつ、場合によってはキャラクターが居残り、不必要に増えていきました。このような整理のつかない状況の中比較的うまくいった巻を3枚ほどごらんください。

  

このアイデアを思いついた当初は、てっきり皆さん喜んでくれるものと思ってましたが、編集部からはとくに反応もなく1年がたち無事終了しました。
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