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©2008 CYZO Inc.

ビジネスマンの金メッキが剥がれてゆく様子をと言われたので、このような絵を描きました。最初は素肌に金粉を塗ったゴールドフィンガーのような艶かしい肢体を想像しましたが、ビジネスマンなので男らしく、もっと硬質で隆々とした黄金像が崩れるイメージを付け加え、こんな感じに仕上がりました。デザインが加わって「…嘘つきだっ!バリーン!」って感じがとっても良く出てますね。

1974年に連続企業爆破事件が起こります。当時中学だったんですが、夏休みの終わりに家で留守番をしている時、テレビのニュース速報で入ってきた、ワイシャツ姿の男性が血だらけでビルの谷間をさまよってる映像に愕然としました。当初はこの一件をとって三菱重工ビル爆破事件と言われましたが、その後大企業の建物が連続して狙われます。犯行声明を出したのは東アジア反日武装戦線の「狼」というグループでした。その一年後一水会の鈴木邦夫氏が、右からのシンパサイザーとしてこれを「腹腹時計と狼」という本に書き上げます。私もまだ子供だったので現代社会の矛盾を目の当たりにして「嘘だー!」なんて叫ばなかったし、ましてや資本主義経済の歪みとか日帝植民地主義に対する義憤など頭のスミにもありません。しかし今はこうして、当時の出来事に複雑な思いを馳せつつこの絵を描くことができました。もちろん嘘!です。
 

※おかげさまで無事終了しました

このカバーイラストレーションはカズモトトモミさんです。そのカズモトさんとの対談が5月23日にあります。カズモトさんは一応イラストレーターですが、おそらくイラストレーターという肩書きに疑問を持っているタイプのイラストレーターではないかと思います。こう言うと、じゃあイラストレーターじゃなくてアーティストって呼ばれたいの?という意味で捉えられがちですが、事態はそう単純ではありません。

で、そういう内向きの話はおまけで触れることにして、今回の対談は「媒体と作風」についての話題がメインになると思います。カズモトさんに対しそういう興味が湧くのも、この人が、漫画みたいな絵シリアスなシルクの作品図解、その他「絵」を目的別に描き分けること、そしてそれぞれを高いレベルで処理(ここポイントです)することに、強い執着を持っている作り手の一人だとお見受けするからです。目的のためなら作風は捨てて良しと言わんばかりの気迫です。さて、それがグラフィックデザインとしての「機能」を考えてのことなのか、アートでいうところの「シミュレーショニズム」の援用なのか、そうした手法にどんな利点とリスクがあるのか、まずはその辺からお尋ねしたいと考えています。

※茶ノ間:ワークショップ内容問い合わせ&Map

※カズモトトモミ:プロフィール

©2005 The Asahi Shimbun Company.

マスコミに入る。強い決意を感じるタイトルです。最近はマスコミという言葉はあまり使わなくなりました。マスコミュニケーションの略語が「マスコミ」ですが、どうやら言葉の普及もひと周りして飽きられたのか「マスメディア」に取って代わられたようです。話の流れによっては、これまた略して「メディア」でも通じます。つまりメディア業界と言ったらマスコミ業界のことを指します。

デザイナーやイラストレーターもマスメディア業界です。デザインもイラストレーションもマス状態の「機能」を指して言います。マスメディアそのものと言ってもいいでしょう。一品ものではなく「マス」なわけですから、イラストレーションとして使われた原画が一品ものでも、印刷などのマスの状態になって初めてイラストレーションと呼ばれるのが本当です。例えばダ・ビンチのモナリザをイラストレーションに使った美術館のポスターがあるとします。その原画のモナリザはイラストレーションではありませんよね。一回性がアートの命題であるように、イラストレーションにとっての「マス」もけっこう命題なのです。
 
©2008 CYZO Inc.

日本の鉄道は大丈夫なのか、なんてけっこう真剣に考えながらトランスフォーマーのようなの巨大メカが街や山谷を破壊してるジオラマを描きました。このアイデアをもらった時はかなりの気合いを入れて取りかかったのですが、お客が乗ってくれない赤字ローカル線、働き過ぎの新幹線、実用化のメドが立たないリニアモーターカーが、やり場のない怒りを涙ながらにぶつけるといった物悲しい光景を目にして、最後は何だかしんみりしてしまいました。ウルトラマンのジャミラシーボーズの回とダブってきます。考えてみるとリニアメカの夕焼けのなんかは、昔見た実相寺昭雄の映像が影響しているのかも知れません。そういえばこのリニア型メカ、メトロン星人のような形状をしています。
  
 
©2008 RECRUIT CO.,LTD.

満を持してというのか、膨大な取材量と紙数のムック「ニッポンの仕事777」がリクルートより発売されました。こんなに労力が掛かる本はちょっとやそっとじゃ出せないかも知れません。ちなみにこの「777」はスリーセブンでなくトリプルセブンと読むようです。

本書は「仕事を見つける」ことと、そのために「何を学ぶか」ということの二つを探すためのカタログなのですが、それよりもまず掲載されている職種量に圧倒されてしまいます。それにしても今の仕事ってこんなにあるんですか。数が増えれば増えるほど価値基準も多様化し共通前提が希薄になっていく理由も頷けます。それでなくてもタコツボ社会、横のネットワークに敏感でないとますます世の中見えなくなりますね。

表紙ではいろんな働く人を描きました。その中で働いてる人たちの様子を覗いているのがこの左上の女性です。過去何度か描いているアイキャッチャーなので自分としても思い入れがあるんですが、何度描いても飽きないメタな魅力を持っています。これからも時々どこかで見かけるかも知れませんが、今後ともどうぞよろしくお願いします。
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