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とうふは美味い。健康にも良い。色も形もじつにシンプル。シンプルな私にピッタリだ。とうふが好きだという人に、好きなとうふ料理はなんだ?と聞けば、十中八九は冷やっこと答えるだろう。そう答えなければとうふ好きだといえないではないか。とうふが好きだという画家に、とうふの絵を描いてみろと命令すれば、十中八九は白い直方体を描くだろう。そう描かなければとうふに見えないではないか。とうふの立場にしてみてもそれが幸せというものだ。そういうとうふが私は大好きなのだ。

とうふ好きの私が描かれたこの絵は、来月渋谷で展示されることになるのだが、その展覧会については再び詳細をアップしようと思う。その時にまた会おう。


真ん中にいるのは弁護士の千代凸盲信(ちょとつもうしん)という人で、彼に依頼すると解決してくれるどころか、トラブルが何倍にも膨らんでしまうという厄介なおじさんだ。この千代凸氏がさまざまな案件に答えるクイズがある。こちらも彼の不勉強が反映してか四つの解答のうち正解はいつもひとつだけ。いい加減なことを言っては法務部員の筒込子(つつこみこ)に呆れられるという、クイズというよりは、そんな千代凸氏をみて面白がるイベントのようだ。

その千代凸氏弁護士をタンバリンに描いた。去年の暮れタンバリンギャラリーのクリスマスの企画展に出品した作品である。ちょうど同じ時期に、これとまったく同じ絵柄で紙スタンドの描割り作品を2枚制作して、2枚とも無事にクリスマスのプレゼント交換でどなたかの手にわたった。今頃は持ち主の部屋に飾られてることだと思う、というか思いたい。さて、それで流れができたのかこのタンバリンも初日に売れたという。作品が売れるなんて何年ぶりだろう。そもそも作品を販売するような企画展に出すことじたい久しぶりだったともいえるのだけど、とにかくなぜ売れたのか考えてみた。

理由はこの作品の物質的な側面にあるのではないか。タンバリンをたたく面は薄皮でできていてそこに墨汁で絵を描いたのだが、これが思いのほかよく馴染んだ。いや、たんに馴染んだというより状況はもう少し複雑だ。本皮だか合皮だか分からないけど、その薄い膜にしみ込んだ墨汁は適度なにじみやかすれをつくり、ジェッソを敷いた部分と微妙な差をもって、画面内にガサガサやツルツルを不規則に散らせながらリズムをつくる。これがけっこう気持ちいいのだ。白黒の濃淡やコントラストとか、キャラクターの構成という絵として描かれた視覚的なものより、物質として付着した絵具のしみや盛上りの、目をつぶって手でなぞることで始めて確認されるていどのかすかな物質のリズムは、人の思考ではなくもっと深い知覚に語りかける。

語りかけられて目を開けると、千代凸弁護士がそのムードをぜんぶ台無しにするだろうけど、それでいいのだ。タンバリンを買っていただいた方は、そうとうにオメガトライブなはず。ぜひカラオケのお囃子で使ってもらいたい。
 

※イベントは終了しました

第四表現主義(仮)について語る会ってなんだろう。

中ザワヒデキは20年以上前から美術史は循環しているという考えの持ち主だ。どういう循環かというと、「表現主義→反芸術→多様性」→「表現主義→反芸術→多様性」→…といった感じで、3つのタームがワンセットとなり旧来繰り返されてきたというのである。この循環法則によって現在4回目となる表現主義のタームが日本に訪れていて、だからこれを第四表現主義と呼び、このことについてリアルタイムに語ろうというのがこのイベントの目的だ。その渦中にある集団は複数存在し、それぞれの代表者が参加することとなった。

第四の表現主義到来の前にはもちろん第一から第三までがある。第一が「フュウザン会」第二が「アンフォルメル旋風」第三が「ヘタうま」というぐあいに、表現主義も反復してきたというのが中ザワ氏の説である。じゃあその表現主義ってなあに?とみんな思うかもしれないけど、その説明は中ザワ氏からトークイベントの冒頭にあるだろうし、参加者の間でも話合いがおこなわれるだろう。

ということで今回の企画での私の役割がいったい何か考えてみた。おそらくそれは第三表現主義「ヘタうま」の当事者、証言者ということだと思うので、これについて少しだけ解説したい。まず中ザワ氏と私のヘタうまの語の使用は少々異なる。中ザワ氏は80年代を席巻したヘタうま現象、それは日本グラフィック展、ニューペインティングの渡来、芸大旋風、諸々のそれこそ表現主義的傾向の絵全般を指していう場合が多い。そしてこの当時、東京の渋谷を中心としてこのようなさまざまな出来事が私たちを覆い尽くしたのだった。(渋谷系と間違えないようにね)そして中ザワ氏は同じヘタうまという言葉でフュウザン会についてもあぶり出している。今回のヘタうまはこちらの意味ととっていいだろう。しかし私がよく口にする場合のヘタうまはこの本にも書いた通り、最終的には湯村輝彦の作風ということで一応の区切りがついている。ヘタうまブームといった全般的な現象ではなく、一人の天才の作画における特殊な傾向という結論に落ち着いたのだった。

2人の言葉の使用にこうした違いはあるが、湯村氏を震源地とするヘタうまが、日本に渡来したニューペインティングに先んじていた、そして次第に融合された、という認識は共通している。ヘタうまとはそれほど桁外れな出来事だったのである。現在はすっかり市民権を得たヘタうまという単語をフツーに使っている皆さんにはこのことがピンと来ないかもしれないけど、ぜひこの機会にその意味の不思議さを楽しんでいただければと思う。

さて中ザワ氏と私は、絵画、あるいは絵というものについて「ベクターvsビットマップ」という考え方を共有しているのだけど、これは美術史でいわれているところの「フィレンツェ派vsベネチア派」の構図と同じだ。というよりそのものであり、端的にいえばルネサンスからのこの構図が今も続いているだけなのである。とにかくこれを基本に各々いろんなことを考えているので、ほぼ今までの対談ではその話題が主だったのだけど、今回は中ザワ氏独特の循環史観の話だし、参加者多数のトークということで話がどう転ぶかわからない。

こんな第三表現主義現象の渦中にいた立場から、今回は第四表現主義を俯瞰してみたいと思う。いや俯瞰してる場合ではないかも知れない。なぜなら事態は循環しながら今も続いており、おこっているこの状況に自らアンガージュしなければ前に進めないのだから。これ参考文献!ゲッ・・・・ツ!


ブログずっと更新してなかったらいつの間にか広告が挿入されてしまったので、取りいそぎ赤べこプロジェクトのために描いた作品を載せました。こちらについては後日詳しく調べて書き込むことにします。
展覧会終了後のレポートも上がってました。



赤べこの由来です。そうとう昔に福万虚空蔵堂を建立する際、みんなが大変な思いをしていた材木運びをどこからともなく現れた真っ赤な牛が手伝い、完成した時に守り神になったという「赤べこ伝説」がもとになっています。で、この話では材木なんですが、別の話では建造したのが橋だったり運んでいたのが大きな岩石だったりで、説としてはいろいろあるようです。



それでいろいろある中から岩石を選んで描きました。かなり前にダルマに絵を描いたことがあって、その時は腕時計と待ち合わせに遅れた女の子をごちゃごちゃ描いたところ、いろんな人から「意味が分からない」と大好評だったので、同じようにごちゃごちゃ描いてみましたが、今回は赤べことの関連があるので意味もちゃんとあります。



赤くないのはしかたないか…
  

長〜い不況、高齢化、IT技術の発達、24時間営業コンビニやファミレス、社会生活の変化を促す、あるいは変化に応えるための状況や装置が、辺りを見渡しただけでもたくさんあります。それとともに働くかたちも変わってきました。身近なところではイラストの納品がデータになりバイク便からメールに変わって、〆切ぎりぎりまで絵を描くことができるようになったり。これでじっくりと思索もできるし空いた時間も有効に使えると、当時はものすごく感動したものです。今はそんな環境にも慣れて、何のありがた味も感じなくなりました。

世の中にある様々なサービスを活用しながら、効率よく環境を変化させていくことが、善かれ悪かれ個人では簡単にできますが、組織となると難しいと思います。個人単位だと効率を求めるだけで済んだことが、組織だと共通の目的意識とか人間関係とか、集団活動ならではの諸問題が発生するからです。これらを解決するような新しい働くかたちの実現は、これからのグループワークや組織づくりの肝となるんでしょうね。

この本で著者の池田晃一さんは、未来の理想的な働くかたちの一つとして「コプレゼンスワーク」というアイデアを紹介しています。本の中ほど30ページを割いて、子供服づくりという具体的なプロジェクトを通し分かりやすくこれを解説してくれます。主人公のママさんOLをはじめ、リタイアした伝説の縫製職人、タイで働く青年工場長といった人たちがチームをつくって、各々の生活に合わせた就労時間でプロジェクトの各要所に関わり、効率を目指すだけでなく働きやすい環境を創りながら、楽しくこれを達成してゆく様子を描いています。こんなふうに働けたら人生意味あるかもって思わせてくれるので、詳しくは本を読んでくださいませ。

で、イラストについてですけど…込み入った情報を整理して分かりやすく展開していくことはイラストレーションの醍醐味のひとつで、そういうヤリガイを感じながらポジティブな雰囲気で描けました。ヤリガイついでにこの絵で缶バッチもつくったので、また今度アップしようかなと思ってます。
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